キューレム界
フレビース

「琴音ー、琴音ー!」

ドンドン、ドアを叩く音
髪が長い少女はインターホンを沢山鳴らしたのになかなか起きない琴音というヒトに溜め息

「やっぱ夏はキツいのか、」

現在の気温は36℃
ミンミン鳴く蝉が邪魔する煩わしさに少女はスッ、と合鍵を取り出した

「琴音の親がなくて良かったー、いたら成敗されるわ」

つかつか廊下を歩いていき、部屋を探す
アパートだから見つかりやすい

ガチャリと開けると少女はグテーと倒れていた
慌てて少女は琴音!と叫び、近づく
上半身だけ上げて琴音と呼ばれた少女は顔を真っ青にして動かない

「大丈夫!?」

「彩音ぇ……暑いよぉ………」

異常に肌の白い少女、琴音はチリン、と腕についている鈴を鳴らして彩音と呼ばれた少女に問う
彩音は冷たい水を出すね!と慌ててキッチンへ向かう
琴音は屍のようにピクリとも動かない

「はい水!」

「あ、りがとう……」

フワリと笑う琴音に彩音は癒しオーラ万全の琴音にギュウッと抱きついた
琴音は夏が大の苦手
だから熱や夏バテ等起こす。
それを知っている彩音はいつも気遣っている

「今日約束してた事、出来るの?」

「うん………日傘とか持っていけば……」

「それじゃあいっぱい水を持っていこう」

現在パジャマ状態の琴音は急いで服を着替えた