俺が、ユキを助ける前、ユキに真っ白な羽根が見えた。それで思い出した。


~10年前~

「ここ、どこだろう……。」


森の中に少年が迷い込んだ。あれは6歳のころの俺だ。


暗くて怖くて泣いてたら、真っ白な羽根の少女が手を差し伸べてくれた。


まだ、俺と同じくらいの歳だったと思う。


顔は覚えていないが、美しかった。初めて恋をした時だった。


あれから10年たっただけなのに、何でそのことを忘れていたのだろう。


でも、さっきのユキを見たとき思い出した。


俺は、ユキの事を…………


いや、気のせいだ。でも、何かもやもやする。この気持ちは一体、何だろう。