追試も登山合宿もあきらめかけて、お弁当を食べようと再び席につくと
「おーい、高宮。ちょっと」
担任である新米教師、空井先生に呼ばれた。
どーせまた追試についてでしょ、とため息をついて先生について行く。
行く途中陽子がニヤニヤ笑ってたなんて、気にしないんだから!
空き教室に入ると、先生はすぐに話し出した。
「お前追試ヤバいって自覚あるだろ?」
「あります!」
「いやそこ自信もって言うとこじゃねぇし。
そこで俺がな、お前にぴったりの先生を用意した。
小宮山はちょっとめんどくさがってだけどな、頑張れよ」
先生は肩を叩いて満足そうに去っていく。
え、ちょっと先生って…!?
うわめんどくさいってこっちだよ。
違うそうじゃなくて…
―――小宮山って、だれ?

