「てか、菜花って特技とかないわけ?」
ニヤニヤ笑いながら聞いてくる陽子の顔がイラつくったら!!
「あたしだってねぇ…」
反射的に噛みついたけど、そこで口を閉じざるをえない。
勉強…はもちろんダメだし、料理もできない。
中学のときはバスケ部だったから、できないわけではないけど、いつも補欠だった。
「ダメだ、ないみたい」
頭を抱えて自虐的ポーズをとると、陽子は立ち上がって
「菜花はそれでいいんだよ。気づいてないかもだけど、そこもモテるポイントだし?」
と頭をなでた。
なんだかいいように言いくるめられた気がしないでもないけど、
「あたしモテないから!」
「あ、そう。そう思ってれば?」
やはり陽子が何枚も上手だ。

