メールにも書かれていたけれど、一体なんで…？

　私は助けを求めるようにお兄ちゃんを見た。

「別れた方がいい」

　お兄ちゃんも言った。

「なんで？」

　私が聞くと、美里はポケットを探り出した。

「これ見て」

　美里が出したのは、黒い携帯電話。

　らしくない携帯電話に、私はポカンとしてしまった。

「これ、美里の？」

　聞くと、美里は首を振った。

「ううん、奏太の」

「え？」

　奏太の持っていた携帯とは機種が違った。

「嘘言わないでよ」

「これ、奏太の二台目の携帯よ」