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 午後八時、デートが終わって、私と奏太は無事に奏太の家に着いた。

 奏太は、一人暮らしをしていて、アパートに住んでいる。

「ぅわ、また派手に散らかしたねェ」

 私が言うと、奏太は私の髪をくしゃっとした。

 イケメンで優男の奏太の唯一の欠点を上げるなら、整理整頓ができない点だ。

「俺は片付けが下手なんだ!」

 前に来たのは、三週間前?あんときは、せいぜい本棚の本が落下してただけだった。

 なのに、今は台所も荒れ放題だし、足の踏み場もギリギリだし。

 ……唯一、ベッドの上だけは綺麗。

 これは、環境汚染だぁぁぁ!

「…なんだよ、文句あるか?」

 奏太が、拗ねた口調で。

「別にぃ。ただ、ごはんどうしようかなぁ…みたいな?」