「じゃあさ、とりあえず…神奈川まで行く?」

 奏太の言葉に私は、

「じゃあ、鎌倉の大仏見たい!」

 奏太は少し首を捻って、「いいよ」と承諾してくれた。

「やったぁー!」

「海って、ときどき天然だよな」

 奏太が、苦笑しながら。

「そうかなぁ?」

「うん」

「…とりあえず、バスに乗ろうよぉー」

 私は、奏太の右手を掴んだ。

「えっ…あ、おう!」