「冗談って?」

「海の怒った顔、かわいいから…ついからかいたくなっただけ」

 かわいい、その言葉に体が微熱を帯びていく。

「…今の、からかっただけでしょ」

「からかってないよ!本心!」

 幸助はそう言って、私の左腕を掴んだ。

「俺、海が奏太と付き合いだしたって聞いてショックだった」

 いきなり、幸助が言った。

「へ?」

「俺、海のこと好きだったから、奏太にとられてショックだったんだ」

「幸助…?」

 私は、幸助の目をまともに見れなくて、俯いた。

「君が、前のあるアイツと結ばれて、ショックだった」