美里SIDE


 私は部屋の中を見渡した。

 隣に立つ頼がベッドの奥に回り込んだ。

「奏太、よっぽど海のこと好きだったんだな…。美里、見てみろよ」

 私は、頼の指さす方向を見た。

 そこには海の写真がたくさんあった。

 ふくれっ面な海、綿菓子を頬張ってる海、金魚すくいで何もすくえなくて涙目の海、前髪を切りすぎていじけてる海。

 よく集めたなって思うくらいにたくさんの海の写真が飾られていた。

「ここまでくると、感心しちゃうわね」

 私が言うと、

「こっちにはツーショットか」

 頼が違うところを指さした。