鞄を持って裏口から出ると、目の前にイケメンが立っていた。

 少女漫画から飛び出してきたんじゃないかって思うくらいのイケメン!

 少しボサッとした金髪、細い輪郭の白い顔。切れ長の目は茶色。

 白いパーカーの下に来ている黒いTシャツにはよくわかんないアルファベットが並んでる。ダメージジーンズを腰パンしていて、一見ヤンキー。

 見た目はそんななのに、性格は優男。

「時間ジャスト、だな」

 耳元で、春風みたいな優しい声が言った。

「ごめんね、待った?」

 目の前のイケメンは、実は私のカレシなんだ♫

 林道奏太、新人漁師。奏太が漁師になったあと、女の漁師も増えてきたわけで。

 本人は自覚してないけど、奏太はすごくモテるんだ。