奏太の葬式は奏太の実家で行われることになったと美里に聞いた。別に、行くつもりはなかったわけで。

 私は「ふーん」と受け流しただけだった。

 奏太がいなくなってから、まだ二日しか経っていないのに、何年も経ったような錯覚に囚われた。

「葬式行かないのか?」

 喪服に着替えたお兄ちゃんが聞いてくる。

「…うん」

「なんでだよ。母さんのときだって―――」

「行きたくないの!」

 内心、ガキだな、私…なんて思ったりする。

 でも、葬式に行くってことは奏太の死を受け入れるってことになるわけだし…。

 奏太が死んだことを認めている一方で、まだ受け入れたくない私がいる。