海SIDE


 病室のドアが、開いた。

「海さん、いらっしゃいますか?」

 看護婦さんが言った。

 私は「はい」と返事をして座っていた椅子から腰を浮かせた。

「奏太さんが、呼んでます」

 奏太、目を覚ましたんだ…。

 でも、私の気持ちは晴れない。

 だって、この状況は…あの時と似ているから。

 もしもこれが、よくある話なら―――

 結末はきっと、一つだけ―――。