そのとき、左肩を何かに押された。 俺は、左側を見た。 誰かが、いた。 「ど……して………が!?」 同時に、全身に冷たい感触。 俺、海に落ちたんだな―――。 水平線が、遠ざかって行く―――。 息ができない。 苦しい! 俺は、目を閉じた。 右足は依然として動かなくて。 浮上することは叶わない。