2051年

大地が大きく別れてやがて6つの大陸が成り立った

その一つの大陸、ヴィレット










「あー、もう、」

腰まである綺麗なみどり髪をもつ少女、ネイロ・ヴィリウス
彼女はいつものように本を読んでいた

「これでもない。あれでもない。」

ガサガサ探すは無い。
彼女は探し物があった

「どこにあんだよ………」

ガジガジ髪を掻く
バンッと本を投げ捨てた

「私の探し物、どこだよ………」

ハァ、虚無に消える溜め息にネイロは本の山を見る
目を細めて寂しそうな顔で本を探す

どこだよ……………

毎日探しているのに無い本を探し
当たり前のように見つからない

「フゥ、………」

カチャン、鉄の鎧が当たる
背後に凭れ掛かっていた鎧が鳴ったのだ
その鎧は父親が最後まで闘っていた鎧
ネイロ・ヴィリウスの親は戦死
ある事件で死んだんだ

ネイロは一人っ子で親戚おらず、限られたお金(セリン)で生きている