「お待たせ!」

あたしは慌てて家を飛び出した。

8時半までに登校しなきゃいけないのに髪に時間がかかってあと20分しかなかった。

「ゴメンね…あたしのせいで遅刻しちゃ う」

その時だった。

あたしは圭悟に腕を捕まえた。

「ちょっ!ちょっと圭悟!」

あたしは慌てて手を振り払おうとした。

「お前の足だと遅刻しちまう。だから俺
が引っ張ってやる」

そう言った圭悟はあたしの腕を強く握ってダッシュした。

あたしの心臓はバクバクで聞こえちゃうと思った。

あたしは圭悟の強引だけど優しいところが好き。

あたしは頬を赤く染めながら走った。