キスから始まる魔法

 「最悪だったし~~。可愛い子なら許せるんだけどな~~。あの、ブス子だぞ」
 

 「ほんと、災難だったよな」
 

 「ブスはブスらしくしとけっつーの」


 あっそうだよね……。私から告白されても、迷惑だよね。
 

 逃げたいのに、体が固まったように動かない。
 

 なのに、涙だけはあふれてくる。
 

 その時、頭にやさしく大きな手が触れた気がした。
 

 しかし、それは幻ではなかった。