キスから始まる魔法

 「余計な事……しないでください……。
  私はこんなことしても可愛くなれません……!
  ブスはブスのままなんです!!」

 
 そう言って、唇を拭うと、冷やかな口調が耳に入った。

 
 「ほんとだね……。君、心もブスなんだ」


 凍りつくような表情。声。
 

 空気までもが凍りついたかもしれない。
 

 ビクンっと体が震えた。


 「あの……ごめんなさい!!」


 そう言い残して、その場を走って逃げた。
 

 しかし、体の震えはまだ止まらなかった。