キスから始まる魔法

 「遅刻だぁ~~~~!!」


 時計を見て叫ぶ。時間も間に合いそうにない。
 

 こういう時はあきらめるのが一番だ。
 

 無駄な努力などしても意味もない。
 

 そう言い聞かせ、ゆっくりと支度をする。
 

 「行ってきます」
  

 あいさつもゆっくりと言って、出ていく。
 

 勿論、走らない。
 

 そんな私の耳にふんわりとした声が聞こえてきた。


 「おはよう」