指定された自分の席に座り、鞄を机の上に置く。


 なんていうか、本当に凄い教室・・・。絶対高校の教室じゃない。言うなら大学の教室に近い。




「クラスでも隣かよ」

「へ・・・?」

「さっき振り」

「サハラ君・・・!」


 嘘、隣の席なの?


「お前、宇佐美っていったっけ? 成程、だから隣なのか」

「・・・?」

「俺の名前、天羽早晴〈あもうさはら〉。同じあ行」

「サハラって苗字かと思ってた」

「良く勘違いされる。まぁよろしく」

「うん、サハラ君」

「あらあら、世利と天羽ってもう仲良くなったの?」

「あ、咲」

「お前も同じクラスかよ、九条」

「そうみたいね」

「知り合い? ・・・て当たり前か。2人は内部生だもんね」

「腐れ縁ってやつよ。天羽とは幼等部から一緒なのよ」

「へえ」

「世利、天羽なんかと仲良くなっちゃ駄目よ?」

「おい九条、兎に変な事言うなよ」

「・・・あの、兎じゃなくて、」

「その兎ちゃんに媚びを売ろうとしてたのはどこの誰かしら」

「売ってないし」


 咲まで兎って・・・。