1センチのキョリ


 その内、全面硝子の大きな引き戸を境に生徒達は居なくなっていて、未央さんはスーっと引き戸を開けた。

 引き戸から束の間、


「あ、未央君っ」

「おはよう木芽」

「おはよ~。あれぇ、その子は?」

「梧斗にスカウトされた宇佐美世利ちゃん」

「あはは、スカウトって。宇佐美世利ちゃんかぁ。よろしくねぇ、うさちゃん」

「うさちゃん・・・」

「そお、うさちゃん。あ、俺は亜佐月木芽〈あさつきこのめ〉ってゆーの。未央君と梧ちゃんとはタメ。敬語とかいらないからねぇ」

「“俺”!? 亜佐月さんって男の子なの!?」

「え、そこぉ?」

「えっと、すみません」


 しまった。思った事をつい口にしてしまった・・・。というか亜佐月さん普通に男子の制服着てるし。あたしの馬鹿。


「また女の子と間違われちゃったぁ。あ、確認の為に下も見せようかぁ?」

「し、下・・・!?」

「こらこら木芽。世利ちゃん退いちゃってるから」

「むぅ。未央君は良いよねぇ、格好良くて男らしいから」

「あはは」

「え、否定しないのぉ?」

「あはは」


 何この2人・・・。