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内緒と言いつつも本館に向かっているという事はなんとなく分かる。
有紫の校門は既に潜っているから、その先にあるのは本館と分館と講堂。
未央さんの足は確実に本館の方に向かっている。
それにしても、
「ねぇちょっと、あれ未央さんよ」
「格好良いわぁ」
「今日は梧斗さんは一緒じゃないのかしら」
「未央さんと梧斗さんの2ショット見たかったのに・・・」
・・・これなんとかならないのかな。未央さんと梧斗さんって何者?
「あの2人と付き合えるのならあたし何も要らないわ」
「そんな話夢のまた夢よね」
「そうよねぇ」
凄いモテモテ。まぁ未央さんも梧斗さんも格好良いもんね。それを放っておく人なんていないか。
「というか未央さんの隣を歩いている女は誰なの?」
「未央さんの隣を歩いて良い女性は限られているのに」
・・・すみません。なんかすみません。
ちらっと未央さんを一瞥すると、未央さんは平然と涼し気に歩いている。
ちょっとは周りを気にしてよとか思っちゃう。
なんか未央さんと梧斗さんにはあまり関わりたくないなぁ。女子生徒の嫉妬とか凄そう。
心の中で溜め息をつくと、予想通り本館の昇降口に辿り着いた。
そのまま靴を上履きに履き替えて教室のある廊下とは反対側の廊下を進む。
本館の中に入っても未央さんは当然女子生徒の注目の的。おまけにあたしも色んな意味で注目の的。
