―――・・・
瞑っていた目を開ける。
あたしの肩を抱いていた男はいつの間にか近くには居なくなっていて、代わりにあたしの前に立っていたのは、紫色と紅藤色の制服を身に纏っている男の人。
有紫の生徒・・・?
「失せろ」
「おいおい正義のヒーローのつもりかよ。お前も有紫なら俺等にお金ってやつを恵めよ。金しか持ってねぇお坊っちゃまに俺等を牽制出来ると思ってんのか?」
「・・・やってみようか?」
「ほお。喧嘩じゃ負ける気はしねぇよ」
危ない・・・! このままじゃあの人やられちゃう!
「掛かってこねぇのかよ。・・・もしかして俺から来るのを待ってるのか?」
「・・・」
「じゃあ遠慮なく・・・!」
やめてっ!
「ぐはっ・・・」
