そんなことを考えていると、
ザクザクっと雪を踏みしめる音が後ろから聞こえて
俺はゆっくり振り返る。


そこには想像通りの彼女がいた。

きっと走ってきたんだろう、髪も息も少しだけ乱れている。



「駿ちゃん…!
ご、ごめんねっ。待った…?」

『うん、待った』


なんて冗談を言うと、より一層焦った表情で謝る彼女。
時間もちょうどだし、焦る必要なんてほんとはないのに。




『…嘘。俺も今来たとこ』


そう言って笑えば、

「よかったぁ…」

って安心したように笑い返してくれた。