その紙を手に取った。 『また来年。 愛してる。』 少し癖のある字で書かれていた。 あたしは店を飛び出した。 店を出ると、雪が降っていた。 冷たい雪があたしの肩に落ちて、じんわりと形を無くす。 あたしも、愛してる。 そう思いながら、小さな紙を胸にあてた。 また来年、会おうね。 ―――そう夜空に呟いた。 【END】