「あたしも……愛してる」
微笑みながら、あたしもそう言った。
彼は優しく笑いながら、あたしに優しいキスを落とした。
それと同時に、あたしの頬に涙が伝った。
「…璃さん。瑠璃さん」
肩を叩かれ、目を覚ました。
あたし、寝てた?
椅子にもたれていた体を起こした瞬間、目が回った。
もしかして、さっきのは夢?
……ちがう。
あたしの目の前には、グラスが二つあるもの。
一つは、黄緑の色をしたカクテルが少しグラスの底に残ってる。
そしてもう一つは―――…
薄紫色をした、カクテルが。
そしてそのグラスの横に、一枚の小さな紙。