コツ、コツ…と自分のヒールの音がやけに響く。 「あ、やっときた」 そう言って彼はあたしに笑顔を見せた。 胸が熱くなる。 彼に会うたびにあたしは、泣きそうになってしまう。 「ごめんね。まだやってなかった仕事があって…」 そう言いながらあたしは彼の向かいの席に座った。 「毎日、ご苦労様。瑠璃、何飲む?」 「う~ん、と。グリーン・アイズにしようかな」 あたしがそう決めると、すぐに彼が注文してくれた。