街に飾られたイルミネーションに、目が眩む。



「…っはぁ、…はぁ」



良かった…間に合った……。


胸に手を当てながら、そう思った。


ヒールで走ったから、足が痛い。



よたよたと歩きながら、重い扉を開けた。



ここは、知り合いがやっている小さなバー。




息を切らしながら入ってきたあたしに気づいた知り合いのバーテンダーが、


グラスを拭きながら、「来てますよ」と小さな声で言った。




その言葉にホッとした。



良かった、本当に。



そう思いながら、店の奥に足をやった。