私を残して、辰真と栗原さんは会議に出席の為、社長室を離れた。


社長室に私一人…


秘書の業務を始めて、1週間ーーー・・・


まだまだ、慣れたとは言えない。


「!?」


私はミスタッチしてしまい、指を止めた。



栗原さんに勧められて秘書検定を取得していたけど実務は経験なし。


栗原さんのように有能な秘書になる日は遠い。



私は深い溜息を漏らして、窓の向こうに見える少し霞みのかかったビル群を見つめる。