* * *


栗原さんは優貴を連れて、私用の車でやって来た。


俺は栗原さんの指示で、車の後部座席に乗り込んだ。


「『ヨーセー化粧品』の御曹司か…純名の大口の指名客の男だな…純名に好意を寄せていたのか…」


「・・・探偵を雇って色々と純名の素性を調べていたみたいだ」


「まぁ~そう、暗い顔をするな…辰真」


栗原さんは助手席に座りながら、落ち着いた様子でうろたえている俺を慰める。


「そう言われても…純名の身を考えると…」


「上手く…作動したようだ」


「!?」