りとはびっくりしたように
あたしを見つめて、
「自分にイライラしただけ」
と いいまたいつもの笑顔にもどった。
「...よかった」
あたしはりとから目をそらしてしまった。
何かがふりきれたみたいな
清々しいかおで微笑むりとを
見ようとすると
頬があつくなるのが自分でもわかる。
(これは熱のせいじゃない)
その時りとがつぶやいた。
「喉からからやな...」
あたしはいそいで言葉をつなぐ。
マンションをゆびさしながらいった。
「あそこ、あたしの家だよ
お茶のんでいく?」
りとは
「いいん?ありがとう」
目を輝かせた。


