「あぁぁみいがちくらんかったら


今ごろあったかい教室でぐっすりやったのにー」



りとはわざとらしく


嫌みっぽく言った。



「ちくってまーせーんー


ねてたからわるいんでしょー」



朝のりとの


不思議そうなかおを思い出して


いつも通りのりとがありがたく思えた。



そのとき



「あーぁはやく大人になりたいなぁー


ほんなら 勉強なんかせーへんのにっ」



りとはふざけてそう言った。



でも あたしには

その言葉がずしっと

のっかかってきた気がした。