夕食時、早瀬の部屋を出て食卓につくと、早瀬の言っていた通りできたてのオムライスがやって来た。
 ふっくら焼けた卵の上にケチャップを搾り出していく。

 “LAST”―――私のオムライスに描かれたその単語を見て、隣に座る早瀬は笑った。

「それはどっちの意味で?」
「もちろん、“続く”の方」

 この関係が、ずっと続いていきますように。そしてこの関係が、早く終わりますように。
 矛盾なんかしていない。だって、このどっちつかずな関係が終わったときには、きっと。

 新しい私たちが、始まっていくのだ。


 世界が終わるとか終わらないとか。明日が来るとか来ないとか。―――そんなこと、君が居てくれたら万事解決。

 でももし、万が一世界が滅びて、私たちに明日が来ないなら。私はやっぱり、君と一緒に居たいと思うだろう。

 このどうしようもなく癇に障って、憎たらしくて、大好きな早瀬と、一緒にね。






Fin.