「ったく、一人で突っ走りやがって……」 「いや、愁のせいだから!! ってか、なんで水族館行くのやめたの!?」 「ん?気分かな?」 「なっ……」 「あー、嘘々。それは理由の半分でしかないよ」 「はぁ?」 「本当の理由は、」 愁は、そこで言葉を区切ると 「今日は、こんな風に瑠美を抱きしめたかったんだよ」 「…っ……」 「水族館じゃ人の目があるし、そんな事なかなかできないから。 だから、もう半分は…俺の我が儘なんだよ」 優しく笑って、私の身体へ回した腕に力を込めた。