そして、二人で歩いていると、私の家が見えてきた。
「あ、私の家はここなので。送ってくださりありがとうございました。」
私は、ペコリと頭を下げた。
「ううんっ、こちらこそありがとう!」
「いえ、では失礼します。」
私が、家に帰ろうとすると一ノ瀬さんがいきなり私の肩を自分の方へと引き寄せた。
「えっ………?」
私は、驚いて思わず声をもらした。
一ノ瀬さんは正気に戻ったかのように目を開き、焦りを見せた。
「い、いきなりこんなことしてごめんっ!
あのさ、言いたいことがあって……………。」
私は、一ノ瀬さんを見た。何故か顔が赤く染まっていた。
「明日、土曜日じゃん?
いきなりなんだけど、二人で何処かに出掛けない?
俺、明日は部活休みだし、彩夏ちゃんは…………あっ!! ごめん、君の予定も考えずに…………」
「? 明日は、私、暇ですけど。」
「…………っ
じゃあ、出掛けない!?
それとも、俺とは行きたくない………?」
……………そういえば、欲しい本があったんだよね。どうせだし……………
「つまり、明日一緒に買い物行きましょう、ということですよね。いいですよ、行きましょう。」

