「・・・・・・」
「・・・・・・」
二人で何も話さず歩いて
私の家へと向かう。
私の家は高校から近く、
いつも、徒歩で通っている。
ふと、思ったのだが
一ノ瀬さんは徒歩で平気なのだろうか。
もしかしたら遠回りをしてるのではないか。
私の家は前に少しだけ『高校に近い』と話したことがあるが
一ノ瀬さんはどうなんだろう。
私は送ってくれるというからつい高校に近いものだと思っていたがそうじゃない場合もあるのだろう。
そうだったら申し訳ない。
・・・・一ノ瀬さんに聞いてみるか。
「あの、一ノ瀬さん」
「あっ、あ、うん。
なにかな?」
どうしたのだろう、そんなに焦って・・・
「あのですね・・・送ってくれるのは
とても嬉しいのですが一ノ瀬さんは
遠回りとかしていませんか?」
「え?」
あぁ、質問の意味が分からなくなってしまった。
一ノ瀬さんが、よくわからないといった顔でこっちを見てくる。
「その・・・私を家に送るせいで
一ノ瀬さんが遠回りしたりしてませんか?」
これで、分かるでしょう。
「あぁ、そんなこと気にしないでっ
俺がしたくてやっていることだしね」
・・・遠回りについては触れてないし。
遠回りしてるってことか。
でも、一ノ瀬さんを見る限り
無理してないっぽいし
今日はお願いしようかな。
(・・・・・っ)
私は人に頼ることをしない、って考えなのに。
自分が出した答えに私は驚いた。

