「部活が少し、長くなっちゃってね・・・」



 そう、今、私と一ノ瀬さんが初めて一緒に帰る約束をしていて
一ノ瀬さんに『寒いから外で待ってて』と言われて
下駄箱で待っていたところなんです。


 
「平気ですよ。部活、お疲れ様でした。」



 ・・・・・やっぱりあまり話さない人と話すと
自然と冷たい口調になってしまう。
 この癖、直したいな・・・。




「・・・・・っ」




 一ノ瀬さんの口から声とも言わない
音が漏れたような気がした。



「・・・? どうかしましたか?」

 と私が聞くと一ノ瀬さんは
ハッとしたように視線を少し下に向けた。



「・・・・・ごめん、なんでもないよ。
早く帰ろうか、待たせてしまったし送るよ」




 ・・・なんか、気まずい雰囲気になってしまった。