私のカレシは
顔もカッコよくて、成績優秀、部活はサッカー部に入っていて
全てが完璧な人。


 そう、さっき私に話しかけてきた人こそ
私のカレシ、一ノ瀬拓真。実はいっこ上の三年生なのだ。



「いえ、そんなに待ってないので平気ですよ」


 何故、そんな完璧な人が
私に告白してきた理由がわからない。

 面識は私が覚えてる中で
一回しかない。

 廊下に落ちていたハンカチを拾った。
ただそれだけ。


 

 それから何日か経った日に
彼に廊下を歩いてたところを呼び出しされ、
人気のいないところで告白された。
『付き合って欲しい』と・・・

 私には断る理由が見つからなかったから
了承したのだが、
それから進展なんてまるでなし。

 私は自分で自覚するくらい
口下手で、ちゃんと話せるのは家族と小さい頃から仲良くしていた花音ちゃんくらい。

 だから、カレシだけど、
『一ノ瀬さん』と呼び、『です、ます』を未だにつけている。