……。
「結局、私は電話ボックスで気を失っているのを、電話をかけに来た近所のお婆ちゃんに発見されました。始めは全部夢かと思っていましたが、電話ボックスに残った何度もぶつかったかのような汚れ、そして僅かではあるが外に残った赤い鮮血」
斎条さんの話が終わった。不思議な体験をした斎条さんであるが、結局は運命の人には会えなかったようだ。
「残念でしたね、結局その伝説はガセネタだったんですね」
私の声に、斎条さんはニッコリと微笑んだ。
「え? でもさ。結局その電話で私を助けてくれた人には会ってないんだよね。私さ、思うんだ。いつかあの電話の声の主が私を迎えに来てくれるんじゃないかってさ」
斎条さんは遠くを見つめるような目線でウットリと微笑んだ。
「う~む。この光景は10年前に紫乃さんに見た気が……」
デジャビュだろうか?
そんな私の気持ちを他所に、次の怪談はやる気満々の彼の登場である。
残り37話
「結局、私は電話ボックスで気を失っているのを、電話をかけに来た近所のお婆ちゃんに発見されました。始めは全部夢かと思っていましたが、電話ボックスに残った何度もぶつかったかのような汚れ、そして僅かではあるが外に残った赤い鮮血」
斎条さんの話が終わった。不思議な体験をした斎条さんであるが、結局は運命の人には会えなかったようだ。
「残念でしたね、結局その伝説はガセネタだったんですね」
私の声に、斎条さんはニッコリと微笑んだ。
「え? でもさ。結局その電話で私を助けてくれた人には会ってないんだよね。私さ、思うんだ。いつかあの電話の声の主が私を迎えに来てくれるんじゃないかってさ」
斎条さんは遠くを見つめるような目線でウットリと微笑んだ。
「う~む。この光景は10年前に紫乃さんに見た気が……」
デジャビュだろうか?
そんな私の気持ちを他所に、次の怪談はやる気満々の彼の登場である。
残り37話

