「んで、確かどうするんだったかな」
私はカバンから例の書き込みをプリントアウトしたものを取り出した。後で読めばいいと思って、しっかりと目を通していないのだ。
「んー、ちっちゃい文字だなあ。もっと大きく印刷すればよかったかな~。なになに、テレカを入れたら自分の誕生日を数字で打ち込む……と。なんだ、結構簡単だな」
私は自分の誕生日の数字をそのまま打ち込んだ。
『お客様のおかけになった電話番号は現在……』
そして、当たり前のようにお決まりのアナウンスが流れる。
「それから……この状態のまま10分間切らずにおいて、その後で受話器を戻さずに外に出ればいいのか」
私は小さな文字を読むのももどかしく、10分間という短く長い時間を待った。
……あたりは急に夜の闇が増した。気づけば人気は完全になくなり、さっきまで聞こえていた電車のアナウンスの放送すらも聞こえてこない。
「……もう十分くらい経ったよね?」
私が電話ボックスを出ようとすると、突然大きな雷と共に大雨が降り始めた。
「うひゃあ! 凄い夕立ち!」
私は傘も持っていないので、仕方なくそのまま電話ボックスの中で雨が止むのを待つ事にした。
『……番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい。お客様の……』
受話器からは10分もの間、受話器からは同じ音声が繰り返され続けている。外はバケツをひっくり返したかのような大雨なのに、電話ボックスの中はその音声だけが、やけにはっきりと響いた。
……さらに10分経ったが、雨はまだ降り続けている。
私はカバンから例の書き込みをプリントアウトしたものを取り出した。後で読めばいいと思って、しっかりと目を通していないのだ。
「んー、ちっちゃい文字だなあ。もっと大きく印刷すればよかったかな~。なになに、テレカを入れたら自分の誕生日を数字で打ち込む……と。なんだ、結構簡単だな」
私は自分の誕生日の数字をそのまま打ち込んだ。
『お客様のおかけになった電話番号は現在……』
そして、当たり前のようにお決まりのアナウンスが流れる。
「それから……この状態のまま10分間切らずにおいて、その後で受話器を戻さずに外に出ればいいのか」
私は小さな文字を読むのももどかしく、10分間という短く長い時間を待った。
……あたりは急に夜の闇が増した。気づけば人気は完全になくなり、さっきまで聞こえていた電車のアナウンスの放送すらも聞こえてこない。
「……もう十分くらい経ったよね?」
私が電話ボックスを出ようとすると、突然大きな雷と共に大雨が降り始めた。
「うひゃあ! 凄い夕立ち!」
私は傘も持っていないので、仕方なくそのまま電話ボックスの中で雨が止むのを待つ事にした。
『……番号をお確かめになって、もう一度おかけ直し下さい。お客様の……』
受話器からは10分もの間、受話器からは同じ音声が繰り返され続けている。外はバケツをひっくり返したかのような大雨なのに、電話ボックスの中はその音声だけが、やけにはっきりと響いた。
……さらに10分経ったが、雨はまだ降り続けている。

