学園怪談2 ~10年後の再会~

第63話 『電話ボックス』 語り手 斎条弘子

 続いての語り手は斎条さんだ。十年経っても小さな身体をピョコピョコさせているのを見ると、怪談を再開できて嬉しくてたまらないようだ。
「みなさんいいですね~。また色んな話を聞けて幸せです。じゃあ、次は私の番ですね」
 斎条さんはウキウキとしながらカバンから携帯電話を取り出した。
「あ、それはdocodaの最新モデルだね」
 流行に目ざとい紫乃さんは、同じデザインの自分の携帯を取り出して見せた。
「あはは、さすがは紫乃さんですね~、ちゃんと時代の流れに乗ってますね。でも私は外では携帯をあまり使いません。なぜならコレをよく使うからです」
 そう言ってカバンに再び手を入れて取り出したのはテレホンカードだった。
「テレホンカード?」
 私は彼女から受け取って調べてみた。
 ……別に何てことはない。どこにでもあるような普通のテレカだ。
「うふふ。実はですね~、私の話はこのテレカではなく、これを使う公衆電話のお話です」