学園怪談2 ~10年後の再会~

 ……。
 気が付くと、俺は樹海の入り口にいた。どうやって戻ってきたのかは分からない。選択した後に、ふと気が付いたら外にいたような……そんな感じだ。
 そして、樹海の入り口の闇の中に、二人の男と、二人の前に立つ一体のゾンビの映像が映し出された。
 俺は目を擦りながら映像を見た。
『……エ……ラ……べ』
 例の質問を投げかけるゾンビだが、今度のゾンビは今までとは違った。
 腐り落ちかけた肉。ボロキレ同然になった服から見え隠れするのは茶色に黄ばんだ骨。思いっきり開いている口の端からはダラダラと赤いヨダレ……ではなく血! 人間の血液が滴り落ちていた。
 そのゾンビの凄まじさは峯田が鼻を押さえて苦しんでいるのと、横川が嘔吐している映像から十分に伺えた。
 そして、そのゾンビの後ろに現れた道は1つ。
『ゾンビに喰われる』
 といったものだった。
 ゾンビの前で悲鳴を上げて叫んでいる峯田の姿が見えた。横川は腰を抜かしつつも後ずさりして逃げ出そうとしていた。
「あいつら……ヤバイ!」
途端に映像は薄れ、なんと樹海の入り口が木々によって塞がれた!
「う、嘘だろ? 木が……木が勝手に動いて……」
 俺はどうすることも出来ず、町に向かって必死に走った。そして、陽も落ちた頃にようやく警察に連絡する事ができた。