……。
そして、俺たちはついに青木ヶ原樹海の入り口へと辿り着いた。
「おい、本当に入るのか? 何も持ってきてないぞ俺……」
横川が今にも泣きそうな情けない声を出した。
しかし、実のところは俺も少し躊躇していた。
『もう一度考えなおして! あなたを大切に思っている家族がいます』
樹海の入り口付近には、自殺志願者に向けられているのであろう木の立て札が立っているが、苔や泥などで薄汚れて、そのブキミさを余計に演出している。
……昼間でも薄暗く、雨など降っていないのにジメジメした空気が肌を突き刺してくる。とおくに聞こえる野鳥の鳴き声すらもどこかしら寂しく聞こえる。
俺たちを止めてくれるような、タイミングのよい地元の人も通らない。
「いくぞ」
俺と横川は黙って峯田に続いた……。
……。
中は木々が生い茂っている山だが、これまでにも多くの人が入ったのであろう、草は僅かにだが踏み分けられていて十分山歩きをする道となっていた。
「なんだ、比較的普通の散歩道みたいだな」
峯田の声は強がっているものの、それでも微かに怯えているのは伺えた。
「ああ、これなら迷うこともないかな」
横川も辺りの様子を確認しながら峯田の後を追う。
俺は入ってきた入り口を振り返ったが、確かに迷う事などなさそうだ。多少は曲がっているもののはっきりと道になっているため、真っ直ぐに戻れば必ず入り口に辿り着けるだろう。
少し安堵して気分が落ち着いたのか、俺たち3人はズンズンと奥へ足を踏み入れていった。
そして、俺たちはついに青木ヶ原樹海の入り口へと辿り着いた。
「おい、本当に入るのか? 何も持ってきてないぞ俺……」
横川が今にも泣きそうな情けない声を出した。
しかし、実のところは俺も少し躊躇していた。
『もう一度考えなおして! あなたを大切に思っている家族がいます』
樹海の入り口付近には、自殺志願者に向けられているのであろう木の立て札が立っているが、苔や泥などで薄汚れて、そのブキミさを余計に演出している。
……昼間でも薄暗く、雨など降っていないのにジメジメした空気が肌を突き刺してくる。とおくに聞こえる野鳥の鳴き声すらもどこかしら寂しく聞こえる。
俺たちを止めてくれるような、タイミングのよい地元の人も通らない。
「いくぞ」
俺と横川は黙って峯田に続いた……。
……。
中は木々が生い茂っている山だが、これまでにも多くの人が入ったのであろう、草は僅かにだが踏み分けられていて十分山歩きをする道となっていた。
「なんだ、比較的普通の散歩道みたいだな」
峯田の声は強がっているものの、それでも微かに怯えているのは伺えた。
「ああ、これなら迷うこともないかな」
横川も辺りの様子を確認しながら峯田の後を追う。
俺は入ってきた入り口を振り返ったが、確かに迷う事などなさそうだ。多少は曲がっているもののはっきりと道になっているため、真っ直ぐに戻れば必ず入り口に辿り着けるだろう。
少し安堵して気分が落ち着いたのか、俺たち3人はズンズンと奥へ足を踏み入れていった。

