……。
あまりに突然の信じられない結末に、私を始め紫乃さんや能勢さんも固まってしまっている。
「時子さんはね、確かに辛い時間を切り取ってくれたんだけど、切り取った時間はどこにいったと思う?」
先生の質問に私は頭をひねった。
「切り取った時間はね……最も大切な人に加算され続けたんだって。だからスミレの身体から出てきた赤ん坊はすでに大人の身体どころか、白髪の老人になっていたんだってさ。それで母親と共に圧迫死したの」
赤羽先生は自分のお腹をさすりながら言った。
……産まれた赤ん坊が白髪の老人……。
あまりに想像を絶する出来事だ。現実には有り得ない事件だ。
私は感想が言葉にならず、ひたすら赤羽先生を見ていた。
「先生……もしかして妊娠してるの?」
紫乃さんの言葉に、少し照れたように先生は言った。
「うん。実はね。もう3ヶ月なんだよ。それにね……」
「それに……?」
大ちゃんさんがゴクリと唾を飲む音が響いた。
「このまえね……時子さんが現れたんだ。『辛くないですか?』ってね」
私は赤羽先生がやたらと笑顔でいることに急に不安を感じた。
……赤羽先生はそれ以上喋らず、ただひたすらに笑顔だった。
残り42話
あまりに突然の信じられない結末に、私を始め紫乃さんや能勢さんも固まってしまっている。
「時子さんはね、確かに辛い時間を切り取ってくれたんだけど、切り取った時間はどこにいったと思う?」
先生の質問に私は頭をひねった。
「切り取った時間はね……最も大切な人に加算され続けたんだって。だからスミレの身体から出てきた赤ん坊はすでに大人の身体どころか、白髪の老人になっていたんだってさ。それで母親と共に圧迫死したの」
赤羽先生は自分のお腹をさすりながら言った。
……産まれた赤ん坊が白髪の老人……。
あまりに想像を絶する出来事だ。現実には有り得ない事件だ。
私は感想が言葉にならず、ひたすら赤羽先生を見ていた。
「先生……もしかして妊娠してるの?」
紫乃さんの言葉に、少し照れたように先生は言った。
「うん。実はね。もう3ヶ月なんだよ。それにね……」
「それに……?」
大ちゃんさんがゴクリと唾を飲む音が響いた。
「このまえね……時子さんが現れたんだ。『辛くないですか?』ってね」
私は赤羽先生がやたらと笑顔でいることに急に不安を感じた。
……赤羽先生はそれ以上喋らず、ただひたすらに笑顔だった。
残り42話

