……。
「あの時、徹が僕を発見してくれなかったら僕は死んでいたのかもしれない。ドッペルゲンガーはね、会えば本当にわかるよ。他人の空似なんかじゃないって。それに……本当に命を奪われるかもしれない」
 よく見ると、淳さんの腕に鳥肌が立っていた。
「まあ、俺も淳が見たって奴を発見した訳じゃないけどね。だってこいつは一人で、遠くを見つめながらブルブル震えてたんだから」
 と、徹さんが付け足して言った。
「そうですか……。もし本当にドッペルゲンガーのようなのがいたら怖いですね」
 私は淳さんの話を聞いて、いよいよ怪談の復活を実感した。
「淳さんありがとうございました。じゃあ次は……やっぱり?」
 私は二番手に控えている大ちゃんさんを見た。
 10年ぶりに見る大ちゃんさんは昔と変わらない笑顔だった……。
「さあ、いってみよーか」
 そして、怪談は続く。

残り49話