……。
「ちょ、ちょっと待って下さい。その話、おかしくないですか?」
私は思わず話に割り込んでしまった。
「何がだね?」
「だって、徹さんが昔小松っちゃんと一緒に遭遇した事件で、井上孔明は絵を強引に奪われたあげく、殺されて新座学園の校庭に埋められたと聞きましたよ?」
徹さんを見ると、確かに徹さんはウンウンと頷いていた。
「そうだな、俺も学園にあった古い文献でその事にたどり着いたんだ」
しかし、島尾さんはため息を一つ吐くと説明を続けた。
「徹君が読んだ文献はきっと私の父が書いたものだと思う」
「へっ! あ、そういえば著者のとこに確か島尾って……」
徹さんはすっとんきょうな声を上げた。
「そう、父は孔明の事を恐れていた。彼は若くして数々の天才的な絵を残し、最後に『絵斬り般若』を書き上げた時……自害したんだ。この学園の校庭の真ん中でね」
……!
新たな真実を告げられて、私も徹さんも驚きを隠せなかった。
「じ、自害? じゃあ、じゃあ文献に書かれていた事は……嘘?」
その言葉に島尾さんは重々しく頷いた。
「ああ、孔明の自害は確かに本当だ。手首を切っての自害だった。第一発見者になった先生は確かに彼の死を確認していたらしい。その上で警察に電話するために校舎に戻り、再び戻った時には大量の血痕だけを残して死体は消えていたらしい。その場に残されていたカバンの中の所持品で彼だと判明したとの事だ」
死体が消えた……。
「彼の死体はいったい何処に消えてしまったんでしょう?」
私の疑問は空しく響くだけに終わった。
「……しかし。その後、新座学園に数々の災いが起こるようになった。生徒の失踪事件や、死亡事件。怪奇現象や、様々な怪談も持ち上がった。父は直感で悟った。……孔明だ。孔明がかけた呪いが発動したのだと。孔明の呪いによって数々の事件が引き起こされ、そしていつか……消えた死体は甦る。数々の禍々しい魂を贄として」
思わず震えが走った。
「ちょ、ちょっと待って下さい。その話、おかしくないですか?」
私は思わず話に割り込んでしまった。
「何がだね?」
「だって、徹さんが昔小松っちゃんと一緒に遭遇した事件で、井上孔明は絵を強引に奪われたあげく、殺されて新座学園の校庭に埋められたと聞きましたよ?」
徹さんを見ると、確かに徹さんはウンウンと頷いていた。
「そうだな、俺も学園にあった古い文献でその事にたどり着いたんだ」
しかし、島尾さんはため息を一つ吐くと説明を続けた。
「徹君が読んだ文献はきっと私の父が書いたものだと思う」
「へっ! あ、そういえば著者のとこに確か島尾って……」
徹さんはすっとんきょうな声を上げた。
「そう、父は孔明の事を恐れていた。彼は若くして数々の天才的な絵を残し、最後に『絵斬り般若』を書き上げた時……自害したんだ。この学園の校庭の真ん中でね」
……!
新たな真実を告げられて、私も徹さんも驚きを隠せなかった。
「じ、自害? じゃあ、じゃあ文献に書かれていた事は……嘘?」
その言葉に島尾さんは重々しく頷いた。
「ああ、孔明の自害は確かに本当だ。手首を切っての自害だった。第一発見者になった先生は確かに彼の死を確認していたらしい。その上で警察に電話するために校舎に戻り、再び戻った時には大量の血痕だけを残して死体は消えていたらしい。その場に残されていたカバンの中の所持品で彼だと判明したとの事だ」
死体が消えた……。
「彼の死体はいったい何処に消えてしまったんでしょう?」
私の疑問は空しく響くだけに終わった。
「……しかし。その後、新座学園に数々の災いが起こるようになった。生徒の失踪事件や、死亡事件。怪奇現象や、様々な怪談も持ち上がった。父は直感で悟った。……孔明だ。孔明がかけた呪いが発動したのだと。孔明の呪いによって数々の事件が引き起こされ、そしていつか……消えた死体は甦る。数々の禍々しい魂を贄として」
思わず震えが走った。

