第93話 『もうひとつの百物語』 語り手 石田淳
いよいよ最後の1周となるようだ。果たして井上孔明の宣告を受けた我々は、無事に朝を迎えることができるのだろうか?
「僕の最後の話を始めよう。この話は今後の僕たちにとっても興味深い話になることは間違いない」
いつになく不敵に笑う淳さんだ。
「と、いいますと?」
私は恐る恐る尋ねる。
「……これから話すのはね。以前……って言っても40年くらい前のことなんだけど、いたんだよ、僕たちの他にも……」
その言葉に、なにかドキリとしたものを感じつつ、全員が次の展開を待つ。
「そう。昔この新座学園で実際に100物語をした生徒たちがいたんだ。彼らは凄いよ……なんたって僕らが今やってるような簡単なものじゃなく、本当に教室にロウソクを100本並べて、それを1話ずつ話し終える度に1本ずつ吹き消していったんだから」
ゴクリと隣で徹さんが唾を飲む音が聞こえた。
「じゃあ、僕の最後の話は、彼らが99話目を終えた時に起こった衝撃の出来事について話すよ」
こうして、淳さんの最後の話が紐解かれた。
……。
「おい木崎、準備できたか?」
夜の校舎。木造の教室に似つかわしくない明かりが揺れた。
「ちょっと待ってください。あと3本……よし、できた。始めてください植木くん」
教室内には一瞬昼間を思わせるかのような明るさが灯っていたが、その明りは頼りなげに揺れ、室内を怪しい雰囲気に誘っていた。100本のロウソクが煌々と灯る光景は異様な世界のようにも見えるし、どこか神々しいもののようにも思えた。
室内には男女合わせて7人の男女が集まっていて、輪を作るようにイスに腰かけていた。
「よし、それじゃあ新座学園オカルト研究会初の最大イベント、百物語を開催する!」
パチパチパチパチ。
やる気のない拍手がひとしきり流れた後、部屋に並んだ100本のロウソクを1本ずつ、1話終えるごとに消していくイベントが始められた。
いよいよ最後の1周となるようだ。果たして井上孔明の宣告を受けた我々は、無事に朝を迎えることができるのだろうか?
「僕の最後の話を始めよう。この話は今後の僕たちにとっても興味深い話になることは間違いない」
いつになく不敵に笑う淳さんだ。
「と、いいますと?」
私は恐る恐る尋ねる。
「……これから話すのはね。以前……って言っても40年くらい前のことなんだけど、いたんだよ、僕たちの他にも……」
その言葉に、なにかドキリとしたものを感じつつ、全員が次の展開を待つ。
「そう。昔この新座学園で実際に100物語をした生徒たちがいたんだ。彼らは凄いよ……なんたって僕らが今やってるような簡単なものじゃなく、本当に教室にロウソクを100本並べて、それを1話ずつ話し終える度に1本ずつ吹き消していったんだから」
ゴクリと隣で徹さんが唾を飲む音が聞こえた。
「じゃあ、僕の最後の話は、彼らが99話目を終えた時に起こった衝撃の出来事について話すよ」
こうして、淳さんの最後の話が紐解かれた。
……。
「おい木崎、準備できたか?」
夜の校舎。木造の教室に似つかわしくない明かりが揺れた。
「ちょっと待ってください。あと3本……よし、できた。始めてください植木くん」
教室内には一瞬昼間を思わせるかのような明るさが灯っていたが、その明りは頼りなげに揺れ、室内を怪しい雰囲気に誘っていた。100本のロウソクが煌々と灯る光景は異様な世界のようにも見えるし、どこか神々しいもののようにも思えた。
室内には男女合わせて7人の男女が集まっていて、輪を作るようにイスに腰かけていた。
「よし、それじゃあ新座学園オカルト研究会初の最大イベント、百物語を開催する!」
パチパチパチパチ。
やる気のない拍手がひとしきり流れた後、部屋に並んだ100本のロウソクを1本ずつ、1話終えるごとに消していくイベントが始められた。

