「いや、あの、別に無理に言わなくてもいいんだけど……」
「……ママに言わない?」
ルカちゃんは僕の服を掴むと、懇願するような顔で見上げる。
「う、うん。言わない。僕とルカちゃんだけの秘密にするよ」
僕は何か悪い約束をしている気分になったけれど、湧き上がる好奇心は抑えられなかった。
「……どんぐりさん」
「へ?」
「あそこにはね、どんぐりさんが……いるの」
……どんぐりさん。今日も昨日も聞いた言葉だ。奥さんとルカちゃんの会話から察するに、何かペットの犬でも飼っているのだろうとは思っていたが、この蔵にいるのか? それにあの声は犬や猫のものとは思えない。もっとオゾマシイ何かじゃないだろうか?
「ルカちゃん。どんぐりさんって何なのかな?」
この質問にはルカちゃんはさすがに答えられないようだ。
「犬とか猫?」
ふるふる。
可愛い二本のおさげ髪を左右に振る。
「じゃあ、意外にトラとかゴリラだったりして?」
ふるふる。
「え~、なんだろう。教えてよルカちゃん」
「どんぐりさんは……怖いの!」
僕の質問にルカちゃんはそれ以上は何も答えず、慌てて僕の元を去っていった。
「いったい何が中にいるのだろう?」
僕は蔵の中が気になって仕方なかった。でも、その日は仕事の終了の時間が来てしまい、それ以上蔵について調べる事は出来なかった。
「……ママに言わない?」
ルカちゃんは僕の服を掴むと、懇願するような顔で見上げる。
「う、うん。言わない。僕とルカちゃんだけの秘密にするよ」
僕は何か悪い約束をしている気分になったけれど、湧き上がる好奇心は抑えられなかった。
「……どんぐりさん」
「へ?」
「あそこにはね、どんぐりさんが……いるの」
……どんぐりさん。今日も昨日も聞いた言葉だ。奥さんとルカちゃんの会話から察するに、何かペットの犬でも飼っているのだろうとは思っていたが、この蔵にいるのか? それにあの声は犬や猫のものとは思えない。もっとオゾマシイ何かじゃないだろうか?
「ルカちゃん。どんぐりさんって何なのかな?」
この質問にはルカちゃんはさすがに答えられないようだ。
「犬とか猫?」
ふるふる。
可愛い二本のおさげ髪を左右に振る。
「じゃあ、意外にトラとかゴリラだったりして?」
ふるふる。
「え~、なんだろう。教えてよルカちゃん」
「どんぐりさんは……怖いの!」
僕の質問にルカちゃんはそれ以上は何も答えず、慌てて僕の元を去っていった。
「いったい何が中にいるのだろう?」
僕は蔵の中が気になって仕方なかった。でも、その日は仕事の終了の時間が来てしまい、それ以上蔵について調べる事は出来なかった。

