学園怪談2 ~10年後の再会~

第54話 『どんぐりさん』 語り手 能勢雅亮
 
 次に登場したのは能勢さんだ。
おお~っつ、すっかり大人び、能勢さんは長身のナイスガイ! 2枚目だった顔は今や3枚目4枚目になっている。この学園に来た時にはタクシーで来たのを目撃したが、降り際に車内にいた誰かとキッスをしていたのを私は見逃さなかった。
「いや~、本当にみんなお久しぶり。こうやって10年後に集まれる仲間なんて他にいないよ~」
「またまた~。能勢さんなら人気者だから同窓会なんかも引く手数多でしょうに」
 しかし、能勢さんは私の言葉に大袈裟すぎる程手を振る。
「そんなことないよ。女の子たち、い、いや……みんな卒業したら結構冷たいんだから」
 私は話半分に受け取りながら怪談を待った。
「……さて、僕は今、園芸士をしてるんだけど。仕事柄色々な家を回るんだけどね。まずはそこで知った話をしてみようかな」
 能勢さんはモデルでも十分やっていけそうなのに、意外にも庭師とは……。