学園怪談2 ~10年後の再会~

第78話 『ミステリーツアー②』 語り手 赤羽加奈子

……突如、音楽室への呼び出しを受けた私たち一行は特別棟へとやって来た。
「さて、後はこの階段を3階へ上がれば音楽室は直ぐだ」
 能勢さんは階段を先頭に立って登り始めた。
「あ、そういえば階段ってさあ、体育館に13階段があったのは知ってるよね?」
 ゾロゾロと移動しながら、一番後ろから赤羽先生が全員に問いかける。
「ああ、10年前の淳の怪談か。あれは確かに怖かった」
 徹さんは淳さんを見ると、二人でうなずき合った。
「それでね、実は今みんなで上っているこの階段にもね、怖い話があるんだよ」
 2階にたどり着いた後で、全員がピタリと足を止め赤羽先生の話に聞き入った。
「先生、その話、聞かせてもらえませんか?」
 私は先ほどのエレベーターの話で興奮していたのか、話の続きを促した。
「あ、でも早く保健室へ行かなきゃいけないんじゃないんですか?」
 斎条さんの言葉に大ちゃんさんが続いた。
「いや、すぐに来いという指定はなかったし、いいんじゃねえの」
 その一言で赤羽先生によるミステリーツアー第2弾の怪談が始まった。
「よし、じゃあ話すわね。ちょうどこれから上る3階への階段……ここが話の舞台よ」
 全員が階段を見上げた。