「大丈夫なのかな……」
ゆっくりとしたエレベーターは3階まで行きくと静止したようだ。
そして、少しの間のあと再び動き出し矢印は下向きになって動き始めた。
「も、戻ってくるんだ。ケガとかしてないよね」
私はドキドキする心臓を抑えつつ、彼女の帰還を待った。
ウィィィィンン。ガーッ。
「ぷは~っ! いや~、楽勝だったよ~」
さっきと変らない笑顔を見せてくれた事にホッとした私だったけれど、この時、なぜか胸騒ぎがした……とてつもなく悪い事が起こりそうな、そんな予感がしたのだ。
「今すぐ降りて! なんか悪い予感がする!」
私は桜庭さんの手を引っ張ると声を限りに叫んだ。
「なに心配してんのよ~! 大丈夫だって、もう一度上まで行って来るから待っててよ」
しかし彼女は私の手を振りほどくと、再び『閉じる』ボタンを押してドアを閉めてしまった。
「だ、ダメ! 危ないよ!」
本当に、なぜそう思ったのかわからなかったけれど、私の直感は当たった。
……ドアが締まりきり、エレベーターの行き先を示す矢印が……下向きに表示された。
「……! ここの校舎に地下なんてないのに!」
あり得ない事だった。校舎に地下はない。つまりこのエレベーターが地下へ動く筈はないのだ。
ギギギィィィ。
エレベーターは軋む音を立てながら、確かに下方へと向かって行った。
ウィィィィィン。
そして、僅かな沈黙の後……エレベーターが戻ってきた。
ガーッ。
……そして、開いたドアの中。エレベーターの中を覗き込んだ私の目に予想もつかない光景が広がった。
……赤。赤、赤、赤。
強烈な鉄の匂い、バケツの水をひっくり返したような大量の血液、そして無造作に散らばった手、足、胴体、虚ろな目をした顔……。
「ぎゃああああああああ!」
私は自分の口から出たとは思えない悲鳴をあげると、その場に崩れ落ちた。
『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
……エレベーターのランプは全てが点滅を繰り返し、警告音が鳴り続けていた……。
ゆっくりとしたエレベーターは3階まで行きくと静止したようだ。
そして、少しの間のあと再び動き出し矢印は下向きになって動き始めた。
「も、戻ってくるんだ。ケガとかしてないよね」
私はドキドキする心臓を抑えつつ、彼女の帰還を待った。
ウィィィィンン。ガーッ。
「ぷは~っ! いや~、楽勝だったよ~」
さっきと変らない笑顔を見せてくれた事にホッとした私だったけれど、この時、なぜか胸騒ぎがした……とてつもなく悪い事が起こりそうな、そんな予感がしたのだ。
「今すぐ降りて! なんか悪い予感がする!」
私は桜庭さんの手を引っ張ると声を限りに叫んだ。
「なに心配してんのよ~! 大丈夫だって、もう一度上まで行って来るから待っててよ」
しかし彼女は私の手を振りほどくと、再び『閉じる』ボタンを押してドアを閉めてしまった。
「だ、ダメ! 危ないよ!」
本当に、なぜそう思ったのかわからなかったけれど、私の直感は当たった。
……ドアが締まりきり、エレベーターの行き先を示す矢印が……下向きに表示された。
「……! ここの校舎に地下なんてないのに!」
あり得ない事だった。校舎に地下はない。つまりこのエレベーターが地下へ動く筈はないのだ。
ギギギィィィ。
エレベーターは軋む音を立てながら、確かに下方へと向かって行った。
ウィィィィィン。
そして、僅かな沈黙の後……エレベーターが戻ってきた。
ガーッ。
……そして、開いたドアの中。エレベーターの中を覗き込んだ私の目に予想もつかない光景が広がった。
……赤。赤、赤、赤。
強烈な鉄の匂い、バケツの水をひっくり返したような大量の血液、そして無造作に散らばった手、足、胴体、虚ろな目をした顔……。
「ぎゃああああああああ!」
私は自分の口から出たとは思えない悲鳴をあげると、その場に崩れ落ちた。
『ビーッ、ビーッ、ビーッ』
……エレベーターのランプは全てが点滅を繰り返し、警告音が鳴り続けていた……。

